令和4年7月15日(金)15時~17時20分
場所 : 本社会議室

【講義内容】

(1)安全管理について
 ① 建築の事故事例
  A)発注者指示による作業停止について
   ▶原因
   ・安全管理体制不足・安全ルールの理解不足・安全教育不徹底・安全意識不足
   ・指摘事項に対する是正対応不足・専任安全管理者がいなかった
   ▶対策
   ・安全管理員の増員・自社巡回パトロールの頻度増(2回/日)・指摘指導事項を2日で全て是正
   ▶今後の対応
   ・安全ルールの内容確認、周知徹底・入場時の送り出し教育徹底・安全ルール本を常備
   ・指摘事項に対して速やかに是正、報告する

  B)高圧送電線にクレーンが異常接近
   ▶事故内容
   ・送電線の損傷・停電 → 多大な利益損失、損傷復旧作業費
   ▶原因
   ・専任の監視責任者不在・電線管理者との事前打合せなし・作業計画書なし
   ・作業責任者による作業の危険性周知なし
   ▶再発防止策
   ・事前の現地調査必須・配電線に防護管設置要請・送電線との遠隔距離確保・送出し教育
   ・作業手順、安全標準の徹底・専任の監視責任者配置・電力会社と作業計画の事前打合せ
   ・クレーン車体にアース設置

 ② 安全教育訓練の進め方
   ▶1ヶ月4時間以上を確保(時間と場所)
   ・安全朝礼、新規入場者教育、作業打合せ、安全パトロール、巡視を活用・時間分割
   ▶実施に当たって
   ・時間、場所、教育実施者、安全知識が必要
   ・安全教育者の選定・資格教育者・店社安全衛生管理者の職務・安全衛生推進者の職務
   ・現場担当者ベースの安全教育は必須・安全管理組織・安全知識の習得・現場での避難訓練/避難場所、
    過去の大災害時に合わせて実施・報告書作成例

(2)現場管理体験発表、工事成績評定分析
 ① 治山工事、法面工事体験談
   ・写真により着手前から完成までの施工管理について、丁寧な説明
  1)治山工事
   苦労した事:自身による伐採作業・仮設道路・掘削時の水替・暑中、寒中のコンクリート打設養生
   良かった点:無事故、濁水処理成果、地元苦情ほとんどなし、発注者・協力会社との連携
   反 省 点:レイタンス除去水による残存型枠の見栄え低下
  2)法面工事
   ・第一期でで法面掘削工、第二期で法面保護工
   ・詳細図面がない中で、全て一人で対応し、計画工程どおりに早めに施工完了した

 ② 工事成績評定分析
   ・評定者それぞれの評価内容・工事検査専門員評価部分の伸びしろ・総括監督員及び主任監督員の
    高得点の理由・当社技術者の強み・今後の期待
 

(3)各現場の情報交換

(4)所感
  ●今回は、安全管理の重要性について、建築部長及び土木部長に講話していただきました。
  ●最近の身近な事故事例等の紹介では、事前調査、作業計画打合せ、作業手順確認、指摘事項の速やかな是正などが基本であり、
   必要不可欠であることを学びました。
  ●現場での安全教育訓練の運営方法について、時間と場所を上手く設定し、教育実施者が安全の知識を習得しておくことが
   大事であることを認識しました。若手技術者は、今までの現場管理を振り返り、安全意識を高める必要性を痛感したようです。
  ●安全教育訓練の運営方法については、マンネリ化気味で悩んでいた参加者にとっては、刺激的な内容で大いに参考になったようです。
  ●現場管理体験発表において、一連の流れを詳しく紹介してもらいました。参加者の多くが、厳しい現場状況の中で立派な治山ダムを
   造り上げたことに対する、尊敬の気持ちを持ったようです。
  ●今回の勉強会をきっかけに、若手技術者が安全意識を高く持ち、現場での安全管理を徹底していくことを期待します。