当社の決算月は6月。
3月にはある程度まとまった工事を受注したものの、それまでの受注不振とそれまでに受注した工事の低生産性が響き、今期は厳しめの決算数字になりそうである。
このところ、ずっと堅調に業績が推移していただけに、最近まではそのトレンドのギャップにもがき苦しんでいた。突き詰めてみると、そのもがきは「周りの見る目」を意識していたからである。

最近、県外出張する機会が続いた中で、自分の中で明らかに ハッとさせられる出来事、言葉に遭遇した。

1、お客様第一 は実は 社員第一が先
もちろん、社員の利益のために他の利益を犠牲にしろという姿勢を言っているのではない。
社会性を意識することは大前提として、まずは社員の幸せ、成長を考える。
社員が成長、幸せな気持ちになれれば、その社員の先にある取引先、お客さんも幸せな気分になる。

この言葉は以前も目にしたはある。
しかし、最近の経営のもがきの中で、知り合いの経営者に質問して返ってきて
この意味をすんなりと自分の中で消化できることができた。

やはり、「経験」は言葉を真に理解するのに必要な過程なのだ。

2、まずは自分を喜ばせること
社員が現場で頑張っている中で、社長である自分は贅沢をしてはいけない。
そうずっと思っていた。
でも、会社のトップである自分が喜んでいる状態であれば、その周囲で働く社員も喜びが伝播していく。

3、成長は手段であって目的ではない  (伊那食品 塚越会長)
会社は何のために成長するのかその目的を明確にし、それに見合った成長率を実現する。
「急成長しても急降下をすれば多くの方に迷惑をおかけする。持続的な成長が最も重要」
これはトヨタ豊田章夫社長の言葉。

『成長が目的ではない』
この最も経営の基本的な考え方 を突き付けられて、はっとした。

なお、トヨタ社長は前段に「社長に就任して以来、多くの試練に直面してまいりました」と綴っている。
嫌味でなく、むしろ弱い人間をさらけ出した正直な経営者である
「ヒットの数以上に多くの辛い悔しい思いの数がある」イチロー選手の言葉。
そんな社長が語っている言葉だけに、親近感そして重みを感じる。

4、人の行く裏に道あり花の山(千利休)
付和雷同することなく、独自の道を歩みなさい。

道は経営者として生きてきた証である
多くの本や人の話を聞き、失敗や成功を積み重ねた「あるべき道」を探す。
よく学び、そこから導き出した理念に基づいて、勇気をもって人の行かぬ道を歩める人

5、不安定な経営環境だからこそ、長期的な視点に立って
・急がず ゆっくり  末広がりに

6、この世に生き残るものは、強いものではない。頭のいいものでもない。変化に対応できる生き物だけ。

7、必要な人材は 時間をかけてでも 自分で育てるしかない
人柄、問題解決能力は 時間をかけてじっくり育てるしかない

「信汗不乱」
一生懸命流した汗を信ずれば心は乱れず、やがて道は開ける。
人づくりも まさに 信汗不乱 である。

8、経営者は

情報収集力  ネットワーク、第六感


胆力
足腰
腕力

何れの言葉も 最近の自分にとり印象的であったが、
強烈に残っているのは  1、3、4、7
社員第一、経営の目的、「道」は経営者として生きた証である、社員の教育は信汗不乱

少し気になっているのは(やや消化不良であるが、気になる)
経営者はまず自分を喜ばせること

成長は目的でない。
だから、数字自体が落ちたことに一喜一憂することは経営者としてやるべきことではない。
目的である 会社の成長(「公器」として)、社員の人ととしての成長 が
この一年でどうだったか?
そういう視点で眺めてみると、それなりに充実した年度であるように思う。

しっかりと 目的 が 高まっているか   気にしていきたい。
数字は 手段である。 目安にはなるが、あくまで参考。
大事なのは 目的がどう充実していっているか  である。
この視点を 肝に銘じておきたい。