ある公務員の方と会合でお話する機会があった。
その方は出先機関のトップにおられる方だが、お会いするやいなや先方から
名刺を出してきて挨拶をされた。
非常に低姿勢で、「日ごろより我々にご理解を賜り、ありがとうございます」
という言葉を添えて。
一般的に”業者”側にいる自分にとり、こういう事態は珍しいことで、正直驚いた。
よくよくその方の話を聞いていると、なるほどと思えるエピソードをお聞きした。
若い頃に、所属している組織の上層部の方と衝突したことがあるらしい。
多分、この方のことだから、正論をぶつけたはずだ。
結局、その方は左遷させられた。
感心するのは、「その左遷先が一番自分にとり勉強になった」という一言。
苦労している中でも高貴な気持ちを持ち続ける人というのは、
見ているだけで不思議でその品格が体中から漂っている。
苦労してその中でがむしゃらに反骨精神むき出しで頑張るのもよし。
それはそれでひとつの成功への道へと続いていくことだろう。
一方、苦労しながらも、苦労と自覚せずに 自然体に受け入れて目の前の仕事に
向き合うのも、またよしだ。
色即是空
品格のある人間。それは、この境地を少なからず体得されている人。
自分みたいな俗人には、なかなか難しいが、かけらだけもかじってみたい。
いい人に出会った。